株式会社ライズ・コンサルティング・グループ
東日本大震災直後の2012年、株式会社ライズ・コンサルティング・グループは創業されました。「Produce Next 次の未来を創造する」をビジョンに掲げ、国内独立系のコンサルティングファームとして、日本の再生に向けた顧客企業の支援をしています。
同社はIPO(新規株式公開)を目前に控えた急成長フェーズにあり、2022年7月現在の社員数は200名。コンサルタントの数も着実に増え、稼働率も極めて高い状態にあります。
一方で、メンバーを支えるシニアマネージャーの役割も増えてきたため、仕事環境の見直しも必要になりました。そこで検討されたのが社外メンタープログラムの導入です。シニアマネージャーの不安や悩み、迷いの解消を目的にしたもので、社員がより気持ちよく働ける環境を整える狙いがありました。
代表取締役社長 CEO・北村俊樹様には今回、Mentor Forによる社外メンタープログラムの導入の背景と実感している効果、今後の展望などを伺いました。
Mentor Forのサービス導入背景
当社はベンチャー企業として始まり、社員数50名ほどの体制が長く続いてきました。業界やテーマで組織を分けないOne Team制が強みで、社内の風通しも良く、会社にとって必要な提案であれば年齢や年次を問わず意見が採用される環境も特徴的でした。
しかし、上場に向けて採用を強化したことから社員数は200名弱にまで増加。One Teamの意義も再定義が必要なタイミングを迎えています。同様に、役割が集中する傾向にあるシニアマネージャーに向けた、新たな人事施策の拡充も不可欠だと考えました。
当社は若手の人材教育に力を入れており、新人研修からOJT、月次研修と細かな育成支援の制度があります。ただ、これらを統括するシニアマネージャー向けのフォローアップ体制が整っていなかったのです。
チームのマネジメント業務に加え、経営陣からのお題をクリアし、クライアントからの要望にも応え続ける立場。非常に負担も大きいわけです。そこで社員が心にゆとりを持ち、イキイキと働ける方法を検討することにしました。
社内で議論を行い、生まれたのが「社外メンタープログラム」の導入アイデアです。
Mentor Forの選定理由
数ある社外メンタープログラムの中からMentor Forを採用した理由は、他社への導入実績が豊富で信用度も高かったためです。代表を務める池原さんのご経歴も拝見しました。
当社には人材育成やメンタリング、コーチングに知見があるメンバーもいるため、専門的な見地からの判断が可能です。「メンターが厳選されている」「コンサルティング業界への理解がある」などの理由から、有力な依頼先候補として当初より名前が挙がっていました。
また、社内ではなく社外にメンターを求めたのは、外部の知見を取り入れることに価値があると考えたからです。
メンターによる質問から内省が始まり、それを言語化するプロセスで気づきや発見が生まれる。言われてみればその通りかもしれませんが、その実行には確かなノウハウを持ち、適切にトレーニングされたメンターの存在が不可欠です。
キックオフの際にも簡単なワークを体験させていただきましたが、その時も「これならぜひお願いしたい」という感覚を持つことができました。
Mentor For導入の効果
社外メンタープログラムを導入するにあたり、まずは公募制の形で参加者を募りました。社内に強制感を出さないためです。そのため現在は、成長意欲が高く、ポジティブにものごとを捉えられるメンバーから順々にメンタリングを受けています。
2022年の4月に導入し、2ヶ月が経過したところですが、定期報告のレポートには「自分が無意識に考えていることに気づけた」「漠然と思っていることを言語化できた」などの感想が多く、メンバーの言語化が進んでいる感触があります。
これらは、そもそもの課題であった「シニアマネージャーのケア」という枠を超えて、社内に広く価値をもたらす可能性があるとも感じています。
社内ではI&D(インクルージョン&ダイバーシティ)の取り組みが進み、さまざまな価値観や多様性を受け入れ、活かすための文化が生まれつつあります。実験的に社内で「性格タイプ診断」なども実施し、お互いの違いを認め尊重し、活かしあうための取り組みも一環として始めています。
社員数が少なかった頃は、成長意欲と高い視座を持つ社員ばかりを期待していましたが、現在は「個々でバリューの発揮の仕方が異なる」「パフォーマンスの出し方は人それぞれ」という考え方になっています。
都心部でバリバリ働きたい人もいれば、地方からリモートで勤務したい人もいて、選択肢が広がっている時代です。誤解を恐れず表現するならば、ありのままの自分で成果を出せることが望ましいと考えています。そのためにも社外メンターの力を借りて内省を深め、言語化するプロセスは重要なポイントになるはずです。
今後の展望
私は創業者からIPOの実現を託され、入社5年目の2021年3月にCEO(最高経営責任者)を任されました。そんな私にとって、前社長とは異なるオリジナル性は「現場感」だと考えてきました。
シニアマネージャーとして入社した私は、社員との距離も近いと思っています。今でも仕事の後には数名の社員と食事に出かけ、対面で話す機会を設けています。可能なうちは一人ひとりの個性に目を向け、双方に納得感のある意思決定がしたいと思っているからです。
これが300名、400名になれば限界も来るでしょう。それでも社員ファーストを守り、全員がイキイキと気持ち良く働ける環境を整えたいと考えています。それが巡り巡ってお客様の成果につながると信じているからです。
今後IPOをすれば、社会的にもよりI&Dの取り組みが求められ、対外的な発信も必要になることでしょう。女性活躍推進法にもとづいた役員比率の発表や、育休制度の利用実態を公表するシーンも出てくるはずです。
そうした場面でも社員のことを一番に考えたいんです。少なくともIPOのために必要だからと、逆算して施策を打つようなことはしたくない。自分自身の納得感や腹落ち感のある取り組みを心がけていきたいと思っています。
Mentor Forの社外メンタープログラムの活用はその意味で、メンバーのメンタル面のケアだけでなく、よりイキイキと働ける働き方環境を構築・促進することにも役立つと考えています。