JFEエンジニアリング株式会社
JFEエンジニアリング株式会社は、エネルギー・環境分野や社会インフラなどの分野において、人々の生活と産業を支えるJFEグループの総合エンジニアリング企業です。
同社はパーパスに「くらしの礎を「創る」「担う」「つなぐ」-Just For the Earth」を掲げ、持続可能な社会の実現を目指しています。そのプロセスにおいて、もっとも重要な課題のひとつとして位置づけるのが、ダイバーシティ&インクルージョンの推進です。
2015年1月には人事部を主体としたダイバーシティ推進室が立ちあがり、2021年にはダイバーシティ・コミッティが発足。翌年よりダイバーシティ委員会と名称を変え、全社横断的なダイバーシティ推進を牽引しています。
2022年10月には社内メンター制度の導入に向けた、Mentor Forによる支援が開始。メンタースキル研修のほか、事務局の運営支援、メンティの意識づけワークショップなどが複合的に行われました。
今回の取り組みについて、人事部ダイバーシティ推進室の黒岩さん、渡邉さんのお二人にお話を伺いました。
Mentor Forのサービス導入背景
JFEエンジニアリングはこれまで、ダイバーシティに関する取り組みを積極的に進めてきました。ダイバーシティ委員会では、委員長である社長を筆頭に、各部門の委員に担当役員が就くなど、経営陣を巻き込む形での取り組みが始まりました。
その中でも女性社員の活躍はダイバーシティ推進の試金石と位置づけられ、女性の積極採用やキャリア形成支援、人的ネットワークの構築支援などが実施されてきました。
しかしながら、女性社員比率や女性管理職比率は年々増加傾向にあるものの、意思決定する立場の女性が少ないのが現状です。
そこで今回、社内メンター制度を導入することで、女性活躍推進の後押しとなる活動にできないかと考えました。最大の狙いは女性リーダーの育成です。メンターには社内の執行役員を選出し、メンティ(メンタリングを受ける側)には、現在管理職である女性社員の中から選出しました。
メンティに対してキャリア意識の啓発や視野の拡大などが期待できるほか、役員に対しては女性活躍推進に関する理解をより深める狙いがあります。
しかし、社内でメンタリング制度を導入するのは当社にとっても初めてのこと。そこで経験や知識を豊富に持つプロの力をお借りできないかと考えました。
Mentor Forの選定理由
他サービスとの比較検討をする中で、Mentor Forの支援内容がもっとも当社の課題とマッチするのではと感じたことが、今回ご依頼をさせていただいた背景となります。
女性社員のリーダーシップ育成に特化されたプログラム内容をはじめ、豊富な経験や実績を有している点などが魅力に映りました。そして何より最大の決め手は、支援内容のカスタマイズ性の高さです。
当社としては社内メンター制度を導入すること自体が初めての試みであることと、経営層を巻き込む形での重要な取り組みであることに対する課題感や不安要素がありました。
それらを事前相談の段階でていねいに確認してくださり、支援内容も柔軟に、当社にとって最適な形になるよう組み合わせを提案いただきました。
社内メンターに対してはメンタースキル向上を目的とした座学やロールプレイング研修が提案され、メンティに対してはメンタリングの目的理解やマインドセット、自己理解を深めるための研修が検討されました。
加えて事務局の運営支援としては、メンタリング内容を記録するシートの雛形共有のほか、メンティ向けのアンケート作成・回収・集計、会社への報告書などの作成支援が含まれていました。
社内では「メンタリングってそもそも何?」「メンタリング導入と女性リーダー育成はどう関係するの?」という声もある状況だったため、メンター・メンティ・事務局の三方に対して包括的にサポートしてくださることは、私たちにとって非常に心強いものでした。
Mentor For導入の効果
メンタリングプログラムの実施期間は、2022年10月から2023年3月までの半年間でした。
社内メンターには執行役員の5名を、メンティには女性管理職の5名を選出する形でプログラムはスタートしました。Mentor Forからの支援があったことで、初めての取り組みながら円滑な運営ができたと感じています。
導入の効果をもっとも実感できたのは、全期間のプログラム完了後に実施したアンケートの集計結果を確認した時でした。
メンティからは「忙しい役員の方々が時間を作ってくれたことに感謝したい」の言葉から始まり、「長期的なキャリアの展望が描けた」「自分の課題が明確になった」「考えが整理されて自信に繋がった」などの声がありました。
メンティ同士は、お互いに管理職であることを除いてはあまり接点がありません。そこで今回の取り組みの1つとして、ワークショップや懇親会を通しての情報交換の場も設けました。それが新たな人脈形成に繋がったという話もあり、非常に好評でした。
メンター側からも「話を聞く姿勢について学びがあった」「自分自身もメンティから刺激を受けることが多々あった」「教育の重要性を再認識できた」などの感想をいただき、長期的に続けることに意味があるのでは、という前向きな提案もありました。
双方から高い評価を得られた理由として、メンティにとって直属の上司ではない役員がメンターを担ったことがポイントの1つに挙げられそうです。斜めの関係性だからこそ本音で話すことができた。そういった背景があるのだと思います。
この半年間の取り組みを最終的にはダイバーシティ委員会で報告しました。その際もMentor Forの協力があったおかげで、定性的・定量的に効果を測れるデータに落とし込むことができました。
Mentor Forのサポートがなく、メンタリングの成果を測るための指標も一切わからない状態だったとしたら、おそらく報告書の作成も手探りになっていたと思います。
メンターとメンティの支援だけでなく、事務局にも伴走してくださったことに改めて感謝を申し上げたいです。
今後の展望
女性活躍推進において、すべての女性が自分らしくいきいきと働けるよう環境を整えていくことが一番大切だと考えています。そのために、女性社員のキャリア形成、意識向上、ネットワーク構築等の支援を今後も継続していきます。
今回、社内メンター制度を半年間トライアル的に実施したことで、ダイバーシティ推進におけるメンティのマインド面の変化を感じることができました。
長期視点で目的を果たすための手応えを感じていますので、引き続きMentor Forの皆さまには取り組みへのご支援をいただければと考えています。
現在は女性活躍推進だけでなく、多様な個性を持つすべての社員が自分らしく働ける職場づくりを目指し、ダイバーシティ&インクルージョンを推し進めています。
働くすべての人が能力を最大限発揮できる組織の実現に向けて、今後もMentor Forの皆さんにはお力添えをいただければと考えております。引き続きのご支援をどうぞよろしくお願いします。