住友ゴム工業株式会社

(写真左から)人事総務部 メンター施策リーダー鶴野様、部長 井川様、D&Iプロジェクトリーダー 梅村様

創業100年以上の歴史を持つ住友ゴム工業株式会社。

同社は2020年12月に新企業理念体系を公表し、ビジョンに「多様な力をひとつに、共に成長し、変化をのりこえる会社になる。」を掲げました。また、組織体質向上と人材開発を目的とした多様な取り組みの中のひとつの主軸として「女性活躍推進」と「インクルーシブ・リーダーシップ (※1)の醸成」をさまざまな活動を通じて展開しています。

Mentor Forでは、2021年より同社のメンター制度構築に伴走しています。管理職の社員をメインに、社外メンターによるメンタリングおよび社内メンター育成トレーニングを実施中です。D&Iプロジェクト責任者であり、人事総務部部長の井川様とD&Iプロジェクトリーダーの梅村様 メンター施策リーダーの鶴野様 に、導入の背景と具体的な取り組み、今後の展望を聞きました。

※1インクルーシブ・リーダーシップ:これまでのように一人の上司が大勢の部下に対してリーダーシップをとるのではなく、一人ひとりの中にあるリーダーとしての資質を引き出し、全員で組織力を向上させようとする考え方のこと。

  1. Mentor Forのサービス導入背景
  2. Mentor Forの選定理由
  3. Mentor For導入の効果
  4. 今後の展望

Mentor Forのサービス導入背景

これまで住友ゴム工業(以下、住友ゴム)では、人材育成としてロジカルシンキングやクリティカルシンキングなど、ビジネスに直結するスキルセットのための研修に力を入れてきました。

ところが、2019年に組織体質調査としてグループ全社員を対象にアンケートを実施すると、大きな課題は別のところにもありました。

それは、端的に言うと「組織体質」の問題でした。中でも、危機感を持った点が大きく3つあります。

1つ目は、上司部下や他部署間での連携やコミュニケーションが不足していること。2つ目は、リーダーシップを育てたり、挑戦を後押ししたりできる風土や仕組みが十分に整っていないこと。

そして3つ目は、女性のリーダー育成がまだまだ道半ばであること。アンケートの回答でも「ロールモデルが不在」「管理職になることに漠然とした不安がある」との声が聞かれました。

スキル面の支援だけではなく、会社としてもっと一人ひとりの社員のキャリアや働き方に向き合わなければいけない。また、それぞれの社員が「個に寄り添う姿勢(スタンス)」をつけなければならない。アンケートの回答を受けて、そう感じたのです。

そこで、Mentor Forの力をお借りしながら「メンター制度」を導入しようと決めました。

Mentor Forの選定理由

Mentor Forにお願いした最大の決め手は、「多様な女性メンター」を抱えている点です。

アンケートで明らかになった3つの課題のうち、当社としても早急に取り組まなければならないと思っていたのが「女性のリーダー育成」。

メンターとしての専門スキルを身に着けた社内メンターと心理的安全性が担保された場で対話を行い、社内メンターと一緒に課題や解決策を考え、女性社員一人ひとりの自律的なキャリア形成につなげるというのが目指すゴールです。

しかし、我々には社内でメンターを育成した経験がないため、社内メンターを育成するための知見を持っているパートナーを探していました。

その際、重視をしていたのは、①社内メンター候補者が良質なメンタリング体験を積めるかという点と②メンター制度設計のノウハウを持っているか、という2点でした。

その点でMentor Forは経験豊富な多数のメンターを擁しており、良質なメンタリング体験体験を提供いただけると感じました。

また、「メンター制度」の構築にあたり、Mentor Forは制度設計についても他社での経験を持っていました。それらのことから、共に制度をつくっていく「パートナー」として、Mentor Forの力をお借りしたいと考えました。

Mentor For導入の効果

2021年8月より、社内メンター1期生として10名の社員を事務局から推薦し、各部門の担当役員の承認を得て育成を開始しました。

この10名には、メンティとして実際にメンタリングを受けてもらうほか、自身がメンターになるためのスキルアップ研修も受講してもらっています。

1期生のメンバーは、とても意欲的に取り組んでくれています。自身が学びを得ることに加え、社内へ「メンター制度 」を波及させていくという役割は、重責ではありますが期生のメンバーのモチベーションにもつながっていると感じます。

加えて、女性社員向けのメンターとして、女性だけでなく、男性にも参加してもらっているのが特徴です。特に男性のメンバーに対しては、「“女性活躍”の文脈を通じて、人や組織と向き合い、マネジメントスキルの向上にも活かしてほしい」と伝えています。

また、その前段として、我々が新しく掲げたビジョンの「多様な力をひとつに」という言葉を具現化していくために、インクルーシブ・リーダーシップ育成のため役員へのワークショップや社員への研修会を実施してきた背景がありました。 丁寧にプロセスを重ねた甲斐があり、今回は女性のリーダーシップ育成の取り組みとして「メンター制度」を住友ゴム全体にしっかり浸透させていけるのではないかと、期待しています。

今後の展望

まずは、「メンター制度」を住友ゴム全体に浸透させていくことが第一の目標です。

社員一人ひとりが自分らしくイキイキと働く。その上で、組織全体の生産性も向上し、目指すゴールを達成できる。

言葉にするとシンプルですが、その難しさも感じています。社員が自身のキャリアを歩むうえで抱えている悩みは育児や家庭の事情であったり、組織内の風土や仕組みの問題であったり、千差万別です。だからこそ、個人に寄り添う姿勢なくしては解が見つかりません。一人ひとりとしっかり向き合い続けることが大切だと、「メンター制度」を通じて伝えたいですね。

今、我々は「女性のリーダー育成」を主軸に取り組みを行っていますが、個人を尊重する姿勢は、女性社員の活躍だけでなく全体の組織体質の向上にもつながり、将来は性別の区別なく取り組みが広がっていくと信じています。

住友ゴム工業株式会社
https://www.srigroup.co.jp/