【メンター×メンティ対談】異なる視点からの「問い」によって、キャリアを前向きに見つめ直せた

Mentor Forの支援先である、株式会社デジタルホールディングス。同社は、経営幹部の女性比率向上を目指すなかで、女性社員が経営に携わるキャリアを築くうえでのロールモデルが不足しているという課題を抱えていました。

そこで、2022年より、Mentor Forの社外メンターによる1on1ミーティングを、幹部候補の女性社員4名に対して実施。メンティ(=メンタリングで相談する立場)の1人である菅原智華さんと公式メンター秋元陽子の対談形式で、これまでのメンタリングを振り返りました。

  1. メンタリング開始時の状況
  2. メンタリングを受けた感想
  3. メンタリングを受けて感じた変化
  4. 今後の目標

メンタリング開始時の状況

菅原さん:私は現在、経営企画部門であるグループ戦略部に所属しながら、2021年に立ち上がったDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)推進室の室長も兼務しています。パーパスを中心としたグループ経営とダイバーシティ&インクルージョンの推進が、主な担当領域です。

メンタリング開始前は、今後のキャリアの方向性について悩んでいました。もともとデジタルマーケターの経験が長かったのですが、転職を経て事業領域が大きく変わったことと、出産して働く時間に制約ができたことから、うまく成果を出せない時期があって……。

気づけば自分のキャリアに対して、すっかり自信が持てなくなっていました。2回目の産育休復帰のタイミングで、現在の所属部署に異動し、「経営企画の仕事は自分に合っているのか」「さらに難易度の高い仕事にチャレンジしてやり切れるのだろうか」と不安を抱えていたんです。

秋元:初回のメンタリングを実施して、置かれている状況と不安が絡み合って、自信を失くしてしまっているのかなと感じました。そこでまずは、課題を一つひとつ紐解き、ご自身の現状や立ち位置を把握するという作業から一緒に始めていきました。

今までのご経験のなかで、どのような思いで行動してきたのか、どのように困難を乗り越えてきたのか。それらをしっかりと言語化していったんです。

メンタリングを受けた感想

菅原さん:メンタリング期間の序盤で、悩んでいる私に対して秋元さんが「『こうなりたい』というイメージがうまく持てていないのでは?」と言ってくださったのが印象に残っています。

キャリアの方向性を決めるには、覚悟を持って腹をくくらなければいけない。それができないのは、自分の意志が弱いからだと思っていました。でもその言葉を受けて、たしかに今の環境は女性の先輩も少なく、今後のイメージが描けていなかったのかもしれないと気づいて。

「だったら、“自分らしいキャリアを模索する”ことこそ、今の私にとってやるべきことでは?」と、驚くほど腑に落ちたんです。

秋元さんからの問いによって、自分ひとりでは気づけなかった新たな“視点”をたくさん得られました。漠然とした不安を丁寧に棚卸ししてくださったので、心の整理がつき、とてもスッキリしました。

秋元:一人だけで悩んでいると、どうしても視野が狭くなってしまいがちですよね。他者の視点を得ると、物事の見え方が全く違うものになります。異なる視点に気づくと、それだけで気持ちがすごく楽になるし、成長にもつながるんです。

菅原さんには、「悩みごとと向き合っている自分を、上空から眺めるイメージをしてみるといいよ」とお伝えしていました。

菅原さん:メンタリングを受けての気づきや振り返りは、レポートにまとめて社内にも都度共有していました。レポートを見た社内の人からも、フィードバックをもらえるようになって、より思考が深まっていった感覚があります。

秋元:そのお話を聞いて、すごく良い取り組みだと思いました。メンタリングで得た学びを、自分の中だけに閉じずに「周りの女性社員も同じ悩みを抱えているのでは」「今後こんなことに取り組みたいので協力してほしい」と、社内を巻き込んでメンタリングに取り組んでいる姿勢が素晴らしいなと。

自己開示をすることで周りから応援されやすくなり、仕事もよりスムーズに進むようになる。そんな相乗効果を生んでいると感じました。

メンタリングを受けて感じた変化

菅原さん:メンタリングを受けて最も良かったと感じるのは、自己分析と内省のスキルを高められたことです。おかげで、物事をさまざまな角度で見られるようになってきました。

自分の感情や認知だけで受け取るのではなく、「上司は、どういう考えで私にこの仕事を任せてくれたのだろう?」など、周りの立場になって考える習慣が身についたんです。

秋元:菅原さんは、今後社内を引っ張っていくリーダーの立場になることを期待されています。なので、今抱えている悩みについてお話ししながらも、会社の未来を菅原さん自身がどう捉えているかなど、視点を少し引き上げるような投げかけを意識していました。

菅原さん:社外メンターという第三者の方から客観的な意見や問いをいただけたのは、少し高い視座で仕事を捉える良いきっかけになりましたね。

会社の中で担うミッションサイズが大きくなったり、レイヤーが上がることに不安を抱えたりしていましたが、「肩書きや役割にとらわれずに、自分のやるべきことを追求していこう」と気持ちが切り替えられました。今まで以上に仕事に対する納得感が持てて、上司との信頼関係もより深まったと感じます。

今後の目標

菅原さん:仕事をずっと続けていきたいと思いつつも、今後のキャリアの方向性に悩んでいました。ですが、メンタリングを通じて自分の思考や価値観がクリアになり、「70歳まで現役でがんばりたい」と改めて思えるようになったんです。まずは今のミッションであるDE&Iの推進を、全社の方々を巻き込みながら取り組んでいきたいと思います。

秋元:菅原さんのように、ご自身も家庭と仕事の両立に悩んでいた方が主体となってDE&Iを推進することで、さまざまな環境に置かれた方々がもっと働きやすく、働きがいを持てる土壌をつくることができるのではないでしょうか。

菅原さん個人の気づきや成長が、会社にも良い影響を与えているんですよね。とても素晴らしい人となりの菅原さんに出会うことができ、また、会社の変容の瞬間に、社外メンターとして立ち会わせていただき、嬉しく思います。

菅原さん:今後のキャリアに対して前向きになれたのは、社外メンターである秋元さんから新たな視点をいただけたおかげです。メンタリングは、たくさんの気づきを得られる貴重な機会。より多くの社員にぜひ体験してもらいたいですね。

株式会社デジタルホールディングス
https://digital-holdings.co.jp/