【メンター×メンティ対談】「社外メンター」とのフラットな対話を通して気づけたキャリア形成への思い

「今後、どのようにキャリアを築いていけばいいかわからない」

このような悩みが聞かれることは少なくありません。会社の上司との評価面談や1on1の場はあっても、目の前の業務に関する話題になりがちで、中長期的なキャリアを相談する機会は、実はなかなか持てないものです。

企業にとってメンバーのマネジメントやリーダー人材の育成がますます重要視される中、近年ニーズが高まっているのがメンタリングです。

今回は、Mentor Forの伴走先であるアビームコンサルティング株式会社にて、「社外メンター」によるメンタリングを受けた高田望さんへインタビュー。「会社の上司でも同僚でもない社外メンターの存在によって、今後のキャリア形成に前向きになれた」と語ります。株式会社Mentor For取締役であり、公式メンターである宮本桃子との対談形式で、メンタリングで相談する立場(=メンティ)として得た気づきや変化を伺いました。

  1. Mentor Forの社外メンターへの期待
  2. メンタリングを受けた感想
  3. メンタリングを受けて感じた変化
  4. 今後の目標

Mentor Forの社外メンターへの期待

高田さん:現在は、金融のお客様向けの事業部でシニアマネージャー(※インタビュー当時。2022年6月時点の役職はダイレクター)を務めています。メンタリングを受ける前は、仕事に対して充実感をもつ一方で、今後のキャリアに漠然とした不安を抱えていました。

私は、明確な目標に向かって進むというより、未経験の領域でも、自分に任せていただいた案件に挑戦しながら経験を積み重ねてきたタイプです。それゆえに、自分の確固たる「軸」がないような気がしていました。会社と切り離して自分のキャリアを考えてみると、5年後10年後がまったく想像できませんでした。

さらに上の役職にチャレンジするのか、はたまた転職などで違う環境に飛び込むのか。アビームに入社して10年以上経過したこともあり、「これから自分はひとりの人間として、どうしていきたいんだろう」と今まで以上に考えるタイミングだったのかもしれません。

宮本:全6回のメンタリングでは、一貫して「キャリアの軸を見つけたい」というのがテーマでしたよね。初回のセッションでの高田さんは、将来のビジョンが上手く描けないことに、モヤモヤを感じていらっしゃる印象でした。

高田さん:メンタリングで、今後、自分がどのように歩んでいくべきかヒントを得ることができればよいなと思っていました。

メンタリングを受けた感想

高田さん:本当に驚いたのですが、宮本さんとの対話を通じて、ずっと抱えていた「キャリアの軸がない」という漠然とした不安は、単に私がそのように認知しているだけだったことに気づかされました。これまでの経験やそのときに感じていたことをお話しするうちに、自分なりの価値観・軸がしっかりとあり、自身で選択して今この会社でこの仕事をしているのだと気がつきました。

宮本:すうっと靄が晴れたようでしたよね。対話を重ねていく中で、私から見ると、高田さんから出てくる言葉や表現には共通点があると感じました。20個の価値観が書かれたカードを提示して、選んでもらいながら言語化していくワークも行いました。

高田さん:私が選んだのは、「達成感」「社会貢献」「仕事の楽しさ」の3つでした。改めて言葉にしてみると納得感がありました。

メンタリングで、宮本さんからいただいた言葉も忘れられません。「高田さんは、どんな状況でもその場を楽しみながら仕事を進めていける能力が高い。それゆえに、どこを軸に置いたらよいかわからなくなってしまっているのでは。何を通じて自分の価値が発揮できるか、思うままに探ってみてはどうか」と。

ならば、「これをやりたい」と思うことに出会えるように行動していけばいい。思い返せば、最初に金融案件に携わったときも、未経験で不安だったところから、自分の専門領域となるまでに経験を積み重ねてこられました。私には軸がないのではなく、価値観に従って道を選んできたからこそ、今の自分があるのだと気づけたことはすごく大きかったです。

メンタリングを受けて感じた変化

高田さん:メンタリングを受けてからは、まず行動を起こしてみようと思えるようになりました。ちょうどメンタリングを受けている時期にあるチャレンジの機会を得たのですが、「結果は周りからの評価であり自分でコントロールできないこと。結果を恐れずに、まずは挑戦してみよう」と、自分でも驚くほど前向きに受け止められましたね。

宮本:メンタリング序盤の頃の高田さんは、キャリアへの迷いゆえか、自分が前に出ることに対してどこかためらいがあるように見られました。ですが、このチャレンジの相談をしてくれたときの高田さんは、見違えるほど自信にあふれていたんです。それが私もすごくうれしかったですね。

高田さん:メンタリングを通じて、自分でコントロールできないことに対する漠然とした不安と、自分が行動することで軽減できる不安の切り分けがある程度できるようになった気がします。もちろん、整理がつかないモヤモヤやプレッシャーは少なからずありましたが、「まずはチャレンジを成功させるためにどうすればいいか考えよう」と思考を切り替えられました。

これも宮本さんが、社外メンターとして示唆にあふれるヒントをたくさんくださったおかげです。私が話した内容を「こういうことだよね」と整理して返してくれたり、「私には高田さんがこう見えているよ」と伝えてくださったり。改めて、自分の強みを客観視するよい機会にもなりました。

宮本:メンタリングでは、メンティの方に対して直接的なアドバイスは行いません。代わりに、第三者である私の視点から見たその方の印象をお伝えすることがよくあります。そこから気づきを得て、行動に起こせたのは高田さんの努力あってですね。

高田さん:宮本さんがメンタリングのプロフェッショナルだということもあると思いますが、「社外メンター」という、会社の上司でも同僚でもなく、家族や友人などプライベートな関係性のない立場の方との対話は、いつも新鮮な気づきをもらえました。

社内だと、すでに共通言語化されている暗黙知みたいなものも多いですよね。メンタリングの場では「宮本さんにも伝わるように自分の状況や経験を説明しよう」と考えながらお話するので、それだけでもすごく自分の棚卸しになるんです。また、家族や友人などとは異なり、関係性が前提となることもなくフラットに対話ができることも、社外メンターの良い点だと感じます。

今後の目標

高田さん:メンティとしてメンタリングを受けたことによって、思考の整理ができるようになり、行動に移すまでのスピードが上がった感覚があります。また、社内の上司や同僚、友人などに相談することはこれまでもよくしていましたが、社外メンターとの対話の機会の大切さも学びました。対話を通じて自分の思考や悩みの本質に辿り着いた経験は、今後の仕事でさまざまな人と関わるうえで糧になると感じています。

宮本:コンサルティングは、特に人との関わりがたくさんあるお仕事ですよね。きっとメンタリングによって得た対話の方法は、あらゆる場面で活かせると思います。

高田さん:本当にそうですね。今後は、メンタリングやキャリアコーチングを勉強していきたいと思っています。社内のキャリア開発にも関与していきたいですし、私自身も、悩みを抱えているメンバーに対して小さなことでも役に立てればと思います。

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